kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



無所属の時間で生きる

「落日燃ゆ」や「官僚たちの夏」の著者である城山三郎のエッセイ集。「アドラー心理学実践入門 ~「生」「老」「病」「死」との向き合い方~」の中で、本書の紹介があったため読んだ。
 とにかく文章がうまい。
 人は誰しも何かの肩書を持っている。○○会社の社員であるとか、夫であるとか、妻であるとか。そんな肩書をすべて振り払った立場で過ごす時間。それを「無所属の時間」という。

そこには、真新しい時間、いつもとちがうみずみずしい時間があり、子供の戻ったような軽い興奮さえ涌く。おそらく、それが人間をよみがえらせるきっかけの時間となるからであろう。
(中略)
 無所属の時間とは、人間を人間としてよみがえらせ、より大きく育て上げる時間ということではないだろうか。

無所属の時間で生きる (新潮文庫)

無所属の時間で生きる (新潮文庫)