kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



「キケン」(有川浩)は、少女漫画なのだと思った

キケン (新潮文庫)

キケン (新潮文庫)

  • 作者:有川 浩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/06/26
  • メディア: 文庫
 

 

 これは、西南大学の機械制御研究部、略称「キケン」を舞台に描かれる青春物語。

 主人公たちは、工学部にありがちなほぼ男だけの大学生活を送る工学男子。無茶やって、バカやって、全力疾走。そんなお話。

 この小説の面白いところは、女子目線で男子の工学部集団が描かれている気がすること。例えば、「俺物語」で描かれている剛田猛男と砂川誠の友情に似ている。

 男子というイキモノは独特の世界を持っていると思います。男子しか共有できないその世界は女子から見るととてもキラキラしていて、自分もあの中に混ざりたいなぁといつも思います。

   (あとがきより)

 

 「キケン」のOBが結婚して妻に大学生時代の話を聞かせるという設定で、このお話は展開される。大学生活を懐かしむうちに妻に勧められて学園祭に行くことになり、そこでかつての仲間たちとつながりをみつける仕掛けは秀逸。LINEなどのSNS全盛の今から見ると少しレトロなところが、また心地良い。