NTTドコモが先のワイヤレスジャパンでフェムトセルのサービスを2009年秋に開始することをアナウンスしました。以前NTTドコモがサービスしていたフェムトはWiFiでつながるのに対して、今回のものはHSPAでつながることが特徴。しかしながらよく知られている通り、フェムトセルのサービスを行うためには、いくつか法律上あるいは契約上の問題がある。例えば、以下。
- バックホール回線にユーザ契約のADSLや光を用いることになるが、これに第3者(例えば、友人が自宅に遊びに来た場合)のトラヒックを流してよいのか
- ユーザがフェムト基地局の位置を変えてよいのか
- ユーザがフェムト基地局の電源を落としてよいのか
このような問題に関してNTTドコモは総務省に対するロビー活動を行っていると推測できる。NTTドコモの言う2009年秋サービス開始は、このロビー活動の結果如何により伸びる可能性がある。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090723/173374/
フェムトセルは、ユーザに電気代と回線費用を払わせて行うサービスですので、単純に高速通信が可能ですよというだけでは、ユーザへの遡及という点で弱いように感じます。そのため、在宅確認サービス(在宅プレゼンス機能)などの便利機能で、ユーザにフェムトセルの利便性を遡及しようとしているのでしょう。
NTTドコモがワイヤレスジャパンで展示していたフェムト基地局は三菱電機製のようです。フェムト基地局に関する三菱電機の学会発表を調べてみましたがめぼしいものは見当たらず、詳細は分かりません。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news-data/2009/pdf/0716.pdf
NTTドコモのフェムトセル戦略はこのように先のワイヤレスジャパンから読み取れます。こうなってくるとソフトバンクモバイルの動きが気になってきます。彼らの持っている周波数は距離が飛ばないため、それを逆手にとってフェムトセルで何か仕掛けてくる気がします。iPhoneの広域アクセス回線が速くなってうれしいユーザは多そうですので、フェムトセルとiPhoneの合わせ技で何か考えているのではないかと邪推している。