kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



努力しても、結果はコントロールできない

「会社人生で必要な知恵は全てマグロ船で学んだ」
この本は、「結果はコントロールできない」という真実を再認識させるものである。

海は、人間の力では自由にならない。どんなに努力しても、気合を込めても、マグロがつれるかどうかはやってみなければわからない。こんな当たり前のことを、実生活では忘れていることに、この本は気付かせてくれる。

結果はコントロールできない、つまり

  • どんなに悩んで決断しても、正しい結果が出るとは限らない。
  • どんなに頑張って努力しても、望む結果が出るとは限らない。
  • 完璧に人間には成れない、完璧を望んでも無駄

だからこそ、自分の出来ることをきっちりやることが必要となる*1

結果がコントロールできないことを認めてしまえば、以下の言葉も腑に落ちるのではないだろうか。

  • 決断に時間をかけるよりも、短時間で決断して失敗したら考え直す(決断の回数を増やす)のが良い。
  • 結果ばかり気にしていると、そのプロセスにある面白いものを見落とす。
  • 努力という言葉は、見返りに結果を求めている響きがある。でも、努力しても結果はコントロールできない。

多少話がそれるが、本の中に「海の男は、話にいったん乗る」というくだりがある。著者が赤道付近で「暑いな」と声をかけられて「赤道ですからね」と返事をして、注意される話である。だれかに声をかけてもらったら、会話が続くような返事をすること、そのためには連想ゲームをせよと教えられるのである。

「あんまり素っ気無く返事をすると、話しかけにくいやつと思わるるど。(中略)でもの、最初に話しかける言葉はあいさつじゃ。あいさつで出鼻をくじかれると、次に何も話せめーが」(中略)最初に話しかける言葉なんて、大した意味は無いのかもしれません。あくまでも、コミュニケーションをとるための最初の「合図」なのでしょう。ですから、その合図に対して、きちんと返事をしないと、「あなたとは、会話をしたくない」と、受け取られる可能性が高いのだということに気付きました。(中略)「連想ゲームをすんのよ。『暑いね』といわれたら、『暑い』で思いつくことを話しゃーええんじゃ。

会話が苦手という人は、試してみてはどうだろうか?

また、以下の文章も深い。

アドバイスは、こっちの立場に立って考えてくれないところに意味があるんど。じゃからたいていのアドバイスは的はずれになるが、そのおかげで、たまに自分が気づいていなかった大事なことを教えてくれるときがある。自分の発想なんてたかが知れとる。

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)

*1:結果がコントロールできないから適当な努力しかしないというのは、ニヒリズムである。