kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



間違いだらけの自己PR

間違った自己PR

 リクルート活動の学生と面接をしていると、グイグイ自己PRをしてくる人が増えている。自己PRすることはいいことなんだけど、的外れな自己PRをしてくると正直脱力してしまう。的外れだなと思う典型的な自己PRは、

  • リーダー系。例えば、グループ活動でリーダーをやったとか、アルバイトでリーダーをやったなど
  • 頑張った系。例えば、英語の勉強を頑張った、ボランティア活動を頑張ったなど
  • 粘り強い系。例えば、皆勤賞とか、集中力があるとかなど
  • 協調性がある系。例えば、前に出て発言するのではなく、敢えてそれとなく他の人をサポートして成果を出したなど。


下は、ある就職ナビの自己PRの添削コーナーに掲載されていたものです。頑張る系の自己PRの典型例です。

粘り腰と集中力、これが私のセールスポイントです。どんな仕事も決してあきらめることなく粘り強く取り組み、最後に成果を出すことにかけては、誰にも引けを取りません。中学・高校では皆勤賞を達成しました。大学では英語の学習に励み、TOEICの勉強でも試験日まで計画を立てて勉強を重ね、4カ月でスコアを665点から855点にまで上げることに成功しました。また個人指導塾講師のアルバイトでは生徒さんの一生を左右する仕事であるという責任をかみしめ、各生徒さんの個性に合わせた授業を展開できるよう授業のたびにインタビューをするなどして、日々教え方に改良を加えています。あらゆる仕事に腰をすえて取り組み、成果を出せることが私の強みなのです。

https://job.nikkei.co.jp/2012/contents/knowhow/entry/04.html

 ”リーダーシップをとる”や”頑張る”は会社に入るとやって当たり前なのと、学生の殆どがこの手の自己PRをするという理由とから、面接をしていて響きません。

間違った自己PRの共通点

 企業側が、自己PRで知りたいことは、学生の皆さんがどんな能力があるかではなくて、どんなことに興味があるかなのです。ですから、何かに頑張ったのでしたら、なぜそれを頑張ったのか? 頑張った結果それが一層好きになったのか、それとも飽きて次の頑張るターゲットを探しているのか、などの学生の皆さんそれぞれの中身を知りたいのです。
 間違った自己PRをする人は、各自の中でPRになりそうな出来事を脚色して話してきます。そして、その脚色は、後付けの気持ちが追加されることが殆どです。例えば、上の頑張った系のPRで言うと、「生徒さんの一生を左右する仕事であるという責任をかみしめ」あたりは、「盛ってる」感満載です。

正しい自己PRの方法

 では、具体的に自己PRの作り方を説明しましょう。

  • まず、自己PRになりそうな出来事を探します
  • その出来事で、自分が行ったことを整理します。
  • 次に、なぜそんなことを行ったのかを考えます。このとき、ほかの人だったら別のやり方をしたのでは?と考えてみるのがコツです。
  • 自分の行動は今考えてみると正しかったか、それとも間違っていたか考えます。
  • 正しいのであればその理由を考えます。間違っているのであれば、どうすればよかったか考えます。
  • 最後に、もし、同じ出来事が就職後に起こったらどうするかをまとめます。

以上のステップで考えを整理すると、良い自己PRができると思います。ポイントは、なぜ自分はそうしたのか?と問うことです。後付けで「盛る」と失敗しますよ。

追記

 入社動機に、”社訓に共感したから”と言ってくる人もいますが、それもやめた方が良いです。そんなインターネットで調べられるようなことを言っても、ダメです。

追記

 今年(2013年)は、”貴社は○○の分野で世界トップシェアで”のようにシェアを書いてくる人が多い。。。きっとこんなテンプレートが出回っているのだろう。。。

追記4

 「「就職できない若者」意外な共通点」(YAHOOニュース)より、

「例えば飲食店の店長候補の採用面接で『料理好き』をアピールする人がいます。飲食店なので料理好きはプラス材料のように思えますが、期待されているのはマネージャーとしてのスキルや適正なので、あまり有効なアピールとはいえません。

 こういう勘違いのアピールをする人はたまにいます。そういう場合、私は、例えばマネージャーとしてのスキルについて、聞き返すようにしています。大抵の場合、上手に応えてもらえることはできません。準備不足なのでしょう。
 自分の強みや得意なところを主張するだけでは、自己PRにならないということです。面接する側にもPRして欲しいポイントがあります。

追記

 集中力があるとか、粘り強いとかいう自己PRが何故ダメかというと、他人と比較していないからです。グループ(バイト先とか、クラブとか、ゼミのグループレッスンとか)でリーダー的な役割を買って出て、最初は非協力的なメンバーもいたが、粘り強く働きかけることで最後にはみんなの力を合わせてうまく行きました。というのが集中力とか粘り強い系のよくあるパターンなんですよね。他の人がリーダーだったらもっとうまくやっていたという視点がないことが分かるでしょう。こういう自分の中で頑張った系は、聞いていてい辛いです。

おとなの小論文教室。 (河出文庫)

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