東日本大震災の復興が一部で始まっている。被災地を元に戻すのではなく、より良い姿に進化させるのが大切である。ここで問題になるのは、「良い」とは何かが分からないことである。
体験と意見
皆さんは、東日本大震災でどんな体験をしただろうか?被災地にいた人、計画停電を経験した人、電力不足で電車の本数が減り非常に混んだ電車を経験した人、様々だと思う。関東以西の人は幸いにも特段の体験をせず平和に過ごせた人も多いだろう。
自分の意見の基になるのは体験である。体験したものが異なれば、意見も異なるのは当然である。
原発は必要か?
大きなトピックは原発推進をどうするかであろう。原発は有った方が「良い」か、ない方が「良い」かを考えるとき、大切なのは使用できる電気を減らしたいか?減らしたくないか?も同時に考えることである。
例えば、関東では今年の夏の電車には、冷房は入らない可能性が強い。あるいは、高齢の方が冷房を控えた結果、脱水症で亡くなることも考えられる。さらに、電力不足で医療が十分に受けれない人も出てくるかもしれない。
このようなことも考えた上で、使用可能な電気量を減らし、結果原発を減らすべきだという意見を述べるのがよい。あるいは、電気使用量は減らしたくないので、原発の変わりに火力発電を増やし、その対価として地球温暖化問題は、先送りにしておくというのも一つの意見であろう。
等価交換
「等価交換」は鋼の錬金術師の世界の中だけでなく、現実世界でもおおむね正しい知見である。何かを得ようとするとき、必ず何かを失う。何を失って何を得たいかは、百人百様である。
復興後の姿
前よりも「良い」を目指して、何が「良い」かを議論しなければならない。それは、各自の体験に基づく意見を戦わせるため、百人百様の意見を集約する作業となる。小宮山宏の「課題先進国」の中で以下のように述べていることが思い出される。
- 具体的に議論する
- 一億枚の全体像があることを理解して議論に臨む ((全体が見渡せないため一枚の全
体像を描けず、結果全体像がいくつも存在することになるため))
http://d.hatena.ne.jp/kota2009/20091105/1257414448
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