APS-Cサイズの撮像素子を搭載したコンパクトデジタルカメラGRが5月24日に発売される。このパンフレットを見ていて、ふと「たのしい写真―よい子のための写真教室」にて、写真が上手に撮れるようになりたかったら、プロの撮った写真の分析をせよ、と書いてあったことを思い出した。そこで、GRのパンフレットの写真を分析してみる。
分析する写真は、GRのパンフレットの表紙を開いたページの写真。具体的には以下の写真。
(リコーホームページより)
分析
最初に気づくのは、水平をとっておらず斜めに撮影されていること。これにより、少し不安定な感じを出している。また、きちんと撮影したのではなく、手早くスナップした写真であることを感じさせる。
色については、全体的に赤い色が多い。その中で真正面に黄色を配置してある。黄色が画面の真ん中にあることにより、これが目立つとともに画面の赤が引き立っている。
画面の右上に水滴のようなものが写り込んでおり、これが車の中から写された写真であることを示唆している。また、画面の右上の約1/3が水滴でぼやけており視点が写真の中心ではなく、クリアに写っている部分の中心の「21」の部分に誘導される。
画面の下の部分に道が写されており、一点交叉法の遠近法が使われている画面の構図を感じさせる。
空以外の部分は比較的暗く写っている。撮影データを見ると、ISO200でシャッター速度1/250であるので、空自身は明るいことが想像できる。建物の描写を暗部に捨てて、建物の電光掲示・看板を表現したかったのだと、撮影者の意図を推測させる。
まとめ
写真の絵を勝手に分析してみた。分析をやってみると、撮り手の意図がこの分析通りかどうかは不明だが、自分が撮影する際に意図を込めるとはどういうことか少しわかった気がする。
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