哲学とは
デカルト以前の哲学では、真理は存在し言葉で表すことができる、と信じられていた。
ニーチェは、誰が語っても同じ真理というわけではなく、私が語ることとあなたが語ることで違う真理を表すといった。
ソシュールは、言語とは差異の体系であるとし、言語によって表すものが異なるといった。ここにきて、真理を言葉で表せるかどうかが、怪しくなる。
デカルトの頃は、例えばコップを見たとき、誰が見ても同じコップに見えると思われていた。ハイデガーの頃は、見る人によって見え方が違うのではないかということが問題になってくる。
こうやってみていると、哲学者というのは、絶対確実なものを探して、様々なものを試しながら不果実なものをみつけ続けている、そんな印象を受ける。
科学とは
宗教と哲学と科学のみっつはどう違うかという問いをもらうことがあります。もともと同じだったものが、だんだん別れてきたんです。科学と哲学はデカルトの頃までは同じだった。どこがちがうかというと、科学というのは科学が対象にできるもののみを対象にするということです。平たく言うと、近代科学の方法でわかるものを対象として、よりわかっていくということです。
哲学と科学の違いを別な言葉で言えば、哲学は根底、物事の底にあるもの、あるいは原因になっているものを問う考え方です。科学というのは、物事をきちんと誰にでも通じるように明らかにするために、むしろある枠を決めて問うやり方です。(中略))宗教は何かというと、根拠や根底を問うのではなくて、根拠や根底を言ってしまうというのが、おそらく宗教だと思います。
デカルトにより、物は空間に広がりをもつとされた。それは大きとして測ることもできるし、重さとして測ることもできる。そういった誰にでも分かる量で、議論を行うのが科学である。逆に、人の想いといったものは科学では扱えない。
19世紀は近代科学で分かることだけを正しいと、した世界だ。

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