kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



心理学から見た幸福感

 ”あなたは幸せですか?” 
 この問いに答えるとき、人は頭の中の楽しい記憶を探し、これをもとに考える。
 ところが、人の記憶は不器用。経験は偏って記憶される。それゆえ、人の幸福感もまた偏ったものになる。

 例えば、静かに長い幸福の時間と瞬間的な不幸があれば、静かに長い幸せは無視され瞬間的な不幸が記憶に残る。

 下巻第5部は、こういった内容。
 幸福の経験は、幸福感とは一致しない。経験の中から幸福感が生成されるとするならば、前向きな人間は幸福感とは無縁と言える。色々なことを考えるきっかけをもらえる本である。

 合理的主体を仮定した経済理論に異を唱えた心理学の本。著者のカーネマンはノーベル経済学賞受賞者。