kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



『別冊NHK 100分de名著 特別授業「ロウソクの科学」』の感想、常識の前提を理解すること

 皆さんが「常識から外れたことを考えなさい」と言われたら、まずはその常識を理解することです。常識を理解して、その常識が成り立つ条件を把握すれば、常識外のことが見えてくるかもしれません。

別冊NHK100分de名著 読書の学校 吉野彰 特別授業「ロウソクの科学」』の最も大切な個所は、ここだ。

 

 ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が、高校生に講演した内容を本にしたのが、本書。マイケル・ファラデー「ロウソクの科学」にあこがれた著者が、自分なりの「ロウソクの科学」を高校生に語った。

 「ロウソクの科学」は、身近にあるロウソクが何故燃えるのかを、それに付随する多くの科学現象を子供でも分かるように平易に記したものだ。

 

 冒頭の言葉は、科学だけでなく世の中一般にも当てはまる。例えば、高校を卒業したら大学に行くことが当たり前になっている。それは、就職した際の稼ぎが大学に行く方が良いからだ。では、どうして大学に行く方が稼ぎが良いかと言えば、就職活動をする学生の良し悪しを判断する面接官にとって、優秀な人材を見分けることがほぼできないためだ。人の良し悪しを見分けることができないから、大学の難易度で人を見分けようとしている。もし、人の良し悪しを見分けることができるならば、大学に行く理由がなくなるだろう。当たり前・常識だと思っていたことが、案外つまらない理由でそうなっていることは多い。