kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



ワークライフバランスと二元論

 家族が病気のとき夫は会社を休むべきか? というお題の記事がある。
http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/blog-entry-303.html
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/1010/267719.htm?o=0&p=0

この記事(http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/blog-entry-303.html)を書いた方は、分かっていて書いている匂いがするが、2つの詭弁を見つけることができる。

一つ目は、夫は会社を休むべきか否かという、二元論が展開されていること。思春期の女の子が「私のこと好き?それとも嫌い?」と迫るというアレである。改めて解説するまでもないと思うが、二元論は

  • 話を単純化できるため聞いているものに分かりやすく、その分かりやすさ故に聞き手を騙しやすい。
  • しかしながら、現実は好きか嫌いかの二つに割り切れるものではなく、実際は好きでも嫌いでもないとかちょっと好きとか、好きと嫌いの間に真実が存在する。

という意味で多用される詭弁のテクニックである。

2つ目は、外国ではこうだから日本もこうあるべきだという、詭弁が使われている。この場合、外国と日本は違うという現実があるだけで、どっちが正しいという話ではないし、両方正しいこともありうる。正解が一つだと思うのは理系にありがちな思い込みである。

例えばアメリカの場合、会社の業績によって個人に原因がなくても解雇するのが普通である。さらに会社倒産の責任を経営者でなく株主が有するので、株主に説明があるという前提でリスキーな事業(ハイリスクハイリターン)に社運をかける場合がある(ベンチャはその典型)。このようにアメリカの雇用環境は安定したものではない(その分再就職もしやすいんだけど)。こんな環境だと、リスクヘッジとして妻も働くことが普通だし、会社を解雇されない努力よりも、妻に離婚されない努力をすることが合理的な戦略である。

元記事(http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/1010/267719.htm?o=0&p=0)の問いに私が答えるとすると、

  • 妻の病気の重さに依存する
  • 会社を休んで自身が出来ることに依存する
  • 会社を休んだ時の仕事の回らなさ具合に依存する(普通回るし、回るよう普段から環境を整えることが大切なんだけど)
  • 妻の収入の額に依存する(妻が専業主婦か働いているかは大いに関係する)

みなさんのご家庭はどうですか?
妻が病気の時、夫は会社を休んで子供の世話をしてくれますか?
また、会社で「妻が病気だから」と言って休んでいる人をどう思いますか?
様々な角度からのご意見お待ちしております。
(夫婦の話題で、専業主婦かどうかということが最近よく上がりますが、この場合は専業主婦かどうかは関係ないと思っています。)

つまり、病気の妻を心配することと会社を休むことの間には多くの環境変数があり、それらを考慮して決められるものだ。


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