デジカメの新製品を追いかけていると、レンズの知識不足によりカメラの解説が良く分からないことがある。もっとも解説の方で誰にでも分かるように表面的な記述にしているので字面は分かるが、中身に踏み込まない記述に歯がゆく思うことも多い。
そこで、「レンズがわかる本」を読んだ。図が多く、非常にわかりやすい。それでいながら、本質的なところの説明がしっかりされており、良い本である。
簡単に心に残ったことを記すと
- 収差
- レンズは一点から出た光を一点に集めるという基本性質を持つが、厳密には一点に集まらない(色によって屈折率が違うことや、光軸上で光が1点に集まらないことがあるため)
- 収差とは、「物体とそのの像の形とが相似形にならない現象」と「像の色がにじむ現象」があり、これを総称して収差と呼ぶ。収差はその現象により7つに分けられる
- 被写界震度
- よく背景をぼかす絵作りのところで出てくる言葉です。
- ある位置にピントを合わせたとき、その位置から前後に対象物を移動させるとボケます。あるボケ量δに対して、それ以下のボケ量となる対象物の移動距離を、被写界震度といいます。(正確には数式での定義なんだけど)
撮像素子の大きさが背景ボケを作るのに必要なこともこの本を読めばわかります。例えば、マイクロフォーサーズはAPS-Cよりもボケづらいんだなっていうことが直感でなく理屈でわかるようになります。
図解 レンズがわかる本 (VISUAL ENGINEERING)
- 作者: 永田信一
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2002/11
- メディア: 単行本
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