kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



リコーがPENTAXを買収

リコーがPENTAXHOYAから買収した。これにより、QやK-rのようなPENTAXブランドのカメラをリコーが製造・販売することになる。
http://www.ricoh.co.jp/release/2011/0701_1.html

買収の背景

 PENTAXと言えば、K-r, K-5, K-xなど評判の良いカメラを出しているもののニコンCANONのブランド力に押されて今一つ売り上げがパッとしなかった。一方、リコーのほうはGR DigitalのヒットからCXシリーズもヒットし、GXRという個性的なカメラを出し、売上高はそれほど大きくないものの独自のポジションを有している。
 
 さて、買収の背景を分析したい。今のデジタルカメラ業界は、はっきりいって儲からない。価格下落のスピードが大変速いからだ。コンパクトデジタルカメラはまさに薄利多売である。それに比べ一眼レフデジタルカメラの利益率は高いが、ニコンCANONが市場を支配している。最近伸びているのが、ハイエンドコンパクトデジカメ、小型一眼デジカメ(ミラーレス)である。PENTAX Qはまさにこのセグメントに投入する機種であるが、オリンパスのPENやPanasonicのGF3、ソニーのNEXがひしめいていてこれまた激戦である。

今後起こりうること

 このような状況の中でHOYAデジタルカメラ事業の売却を決めたことは、とても合理的な判断である。一方、デジタルカメラ事業を買うことは、リコーの経営者にとっては勇断である。今後、リコーのカメラとPENTAXのカメラの製品ラインナップを整理統合していくなかで、ニコンCANONソニーPanasonicとどう戦っていくのか戦略を決めていかなければならない。

 この製品ラインナップの整理統合で、PENTAX QとGR Ditigal, GXRは製品セグメントが重なるので、これらをどう統合するかが知恵の出しどころである。もし、PENTAX Qの売れ行きが悪ければ次機種の発売はないだろう。

 一方、K-r,K-5,K-xといったデジタル一眼レフカメラに関しては、利益率の高いセグメントであること、そしてリコーがこのセグメントの製品を持っていないことから、リコーも力を入れてくると考える*1。しかも、リコーは写真好きなユーザに訴える製品コンセプトを作るのがうまい。リコーの企画力で、PENTAXのデジタル一眼カメラがどう進化するかについては、非常に楽しみである。

まとめ

 リコーがPENTAXHOYAから買収した。今後、リコーとPENTAXの製品ラインナップが整理・統合される。これにより、デジタル一眼レフカメラの今後の進化するか楽しみである。一方、ミラーレス機に代表される小型一眼カメラおよびハイエンドコンパクトデジタルカメラのセグメントは、GRX,GRD,Qを今後どうするかについては、Qの直近の売上高が強く影響する。

*1:リコーは、デジタル一眼レフカメラが欲しくてPENTAXを買収したのだと、私は思っている。