ホンダのFIT4 e:HEV(4代目フィットハイブリッド)を購入しました。ハイブリッド車のメリットとして良く挙げられるのは、
- 車内の静粛性
- モーター独自の低速トルクの太さ
- 燃費の良さ
この記事では、1番目の静粛性について検証してみました。
静粛性について検証
測定には、iPhoneでアプリ「デシベルX -dBAデシベルテスター」を使用し、以下の5つのシナリオで音量を測定しました。
- まず、車を静かな駐車場に置き、環境音を測った(シナリオ1)
- 参考のため、エアコンの音量を測定、つまりエンジンOFFのままエアコンを風量6(MAXより1目盛り低い値)で稼働し、音量を測定(シナリオ2)
- 次に、エアコンを停止させ、エンジンをONにし、音量を測定(シナリオ3)
- そして、EVモードで走行時の音量を測定した。具体的には、EVモード(つまりエンジンOFFのまま)で時速50km/hの走行状態で音量を測定(シナリオ4)
- 比較のため、エンジン走行モードでの音量を測定した。具体的には、エンジン走行モード(つまりエンジンON)で時速50km/hの走行状態で音量を測定(シナリオ4)
シナリオをまとめると下の表のようになります。
シナリオ | エンジン状態 | 走行速度(km/h) | エアコン | 窓 |
---|---|---|---|---|
1 | OFF | 0 | 停止 | 閉 |
2 | OFF | 0 | 風量6 | 閉 |
3 | ON | 0 | 停止 | 閉 |
4 | OFF | 50 | 停止 | 閉 |
5 | ON | 50 | 停止 | 閉 |
各シナリオでの測定結果(運転席での音の大きさ)は以下の通り。
シナリオ | 音の大きさ(dB) |
---|---|
1 | 38 |
2 | 56 |
3 | 48, 55 |
4 | 55 |
5 | 65 |
測定結果から分かったこと
- エアコンの音量:エアコンの音は意外に大きく、風量6での音量は56dBとエンジン音よりも大きいことが分かりました(シナリオ2より)
- エンジンの音量:発電時のエンジン音は、48dBと55dBの2パターンが確認されました。48dBのであればエアコンよりも静かです(シナリオ3より)
- 走行音:時速50km/hでの走行音は65dBと、エンジン音よりも大きく、エンジン音は走行音に埋もれてしまうことが分かりました(シナリオ4と5より)
ホンダのe:HEV*1は、エンジンを常に効率の良い回転数で動作させるため、停車時でもエンジンが回転することがあります。そのため、低速走行時では、エンジン車が低回転で動作よりもエンジン音が大きくなる場合があります。
しかし、今回の測定結果から、e:HEVのエンジンは、状況に応じて騒音を抑えた低回転で運転することもできることが示唆されます。日産e-Powerが停車時にエンジンを停止させる制御を採用しているのに対し、ホンダは異なるアプローチを取っていると考えられます。
まとめ
FIT4 e:HEVのエンジン音は最大で55 dB程度と比較的静かです。これは、小鳥のさえずりと中音量のTVの間くらいの音量に相当します(付録も参照ください)。
しかし、低速走行時ではエンジン音が気になる場合があるかもしれません。
補足
- dB(デシベル)は、音の大きさを表す単位です。数値が大きいほど大きな音となります。
- e:HEVは、ホンダが開発したハイブリッドシステムです。
- e-Powerは、日産が開発したハイブリッドシステムです。
付録
ご参考のため、普段の生活で耳にする音の音量を記しておく。
*1:日産e-Powerやダイハツのe-smartも同じ動きだと思う。