kotaの雑記帳

日々気になったことの忘備録として記していきます。



今井瑠々(るる)さんを深掘りしてみた

 地方統一選挙が昨日ありましたね。皆さんは投票に行きましたか?どうせ誰が当選しても同じ、とか言って無投票の人もいるかもしれませんね。

 

  今朝、ニュースを見ていると岐阜県議会選挙で当選した今井るるさんが話題になっていました。記事には「裏切り者」・「人としてどうなのか」など、なかなか強い言葉が使われています。

今井るるさん(NHKニュース記事より

 

 るるちゃんは何をしたのかな?と野次馬根性全開で調べていくと、要するに仲良しグループAでリーダー的な存在だったのだけど、このままでは私は空高く舞い上がれないということで、ライバルグループBに移ったということでした。

 硬く表現すると、立憲民主党に所属しその岐阜県連副代表という地位にいた今井るるさんは、おととしの選挙(衆院選岐阜5区)で落選。今回の選挙(県議会議員)では、立憲民主党では戦えないと、所属する立憲民主党の最大の敵である自民党から推薦を受けることにした。当然、立憲民主党からは除籍され(今井るるさんは自分から離籍したと主張)た。

 

 これに関してマスコミの扱いも、ややふざけていて微笑ましい。NHKの記事には、「今井が自民で出るんだって」と大きく書かれ、まるで映画の名作「桐嶋、部活やめるってよ」のオマージュのよう。この記事はとても読み応えがあります。さすがNHK。

「高校生のころは、党派は別に関係なく、出られたら自民党でもと。反自民感情があって立憲から出たわけではない。ただ、国政では野党として、若くて女性で、表だって選択的夫婦別姓など多様な価値観を示さないといけないと思っていた。でも、それを言うだけじゃだめだった。地域の人のためにできることを優先したかった」

ぶっちゃけてますね、るるちゃん。「若くて女性」なことでは選挙に勝てないから「それを言うだけじゃだめだった。地域の人のためにできる」と言うことにしたそうで、かなりしたたかです。

 受ける方の自民党(古谷圭司)も、

「自民党は多様性を容認しあう政党です。チャレンジされるなら私は心から歓迎します。この1週間で大きく(状況が)変わったので、びっくりされている方もいらっしゃると思う。でも、政治はそういうものなんですよ」と鋭いまなざしで語った。

いやいや、「多様性を容認しあう政党です。」じゃなくて政策が一致したとか言わないと、若い女性だから歓迎しますって言ってるようですよ。これに「鋭いまなざしで語った」と書くNHKが素敵です。

 

 るるちゃんの政策は3つ(今井るるの政策 | 今井るる 公式サイト (luluimai.com) より)

 

 そして、基本政策は4つ。

 

 政策が3つで基本政策が4つ、というのがちょっと分かりづらい。内容をよく読むと、流行りの政策が並んでいますね。やらないことと言えば、

  • 地球温暖化防止、脱炭素、SDGs推進はやらないようですね。
  • 高齢者の医療費・福祉費の補助はやらないようです
  • 働く中高年男性のリスキリングなどの就労支援は、行わないようです。
  • 労働者に対する給料アップは行わないようです

 

 要するに、特にこだわりのある政策があるわけでは無さそうです。それだけに、政党にもこだわりはないと言うことなのでしょう。

 もう一度、るるちゃんの言葉を読み直すと

「高校生のころは、党派は別に関係なく、出られたら自民党でもと。反自民感情があって立憲から出たわけではない。ただ、国政では野党として、若くて女性で、表だって選択的夫婦別姓など多様な価値観を示さないといけないと思っていた。でも、それを言うだけじゃだめだった。地域の人のためにできることを優先したかった」

(落選しちゃったおととしの選挙の)国政では野党で・若くて女性で・選択的夫婦別姓と言うのが当選しやすいと思ったのだけど、今回の県議会選挙では、自民党で・地域の人に受けることを、言う方が当選しやすいと思った、と言っているように読めます。議員になるためには、手段は選ばないということですかね。なかなかのぶっちゃけぶりです。

 

 もっとも、毎日新聞によると、るるちゃんが自ら自民党にアプローチしたというより、自民党がるるちゃんを取り込んだようですね。

 立憲の次世代ホープと期待され、落選後も国政進出を目指して活動した。ところが今年1月、自民への移籍と、自民推薦で県議選に立候補すると表明した。21年の衆院選で、大票田の多治見市の得票で古屋氏を約3400票上回るなど今井氏に脅威を覚えた古屋氏が味方に引き込んだとされる。

(「裏切り者」今井瑠々氏、中傷の選挙戦 「仕事したい」貫き初当選 | 毎日新聞 (mainichi.jp))

 つまり、国会議員を目指していたのに岐阜県議会に転身したり、立憲民主党だったのが自民党になったりと、ウロウロ変化するのも、大人にうまいこと利用された結果ということでしょうか。政治家としてそれもどうかと思いますけど。

 

 そして、るるちゃんは大人に遊ばれるだけの人と言うわけでもなく、お金をめぐっての疑惑もあります。腹黒いというより脇の甘い印象を個人的に受けますね。

今井瑠々氏の団体、政治資金で不適切支出か セミナー参加費など | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

 さて、何かと注目のるるちゃんですが、現代ビジネスの記事が面白おかしく書かれていています。さすがプロのライター。

突然、立憲から自民に鞍替え!美人すぎるお騒がせ政治家・今井るる氏(26歳)が政治資金でスピリチュアル系セミナーを受講していた(週刊現代) | マネー現代 | 講談社 (gendai.media)

 

 最後に、岐阜県の人にとっては、るるちゃんが成果を上げるかが大切なのでしょう。今後の活躍に期待です。岐阜県民じゃないけど。

 

 

後記

 政策を同じくする者が集まって政党を作っていると思っています(だからこそ比例代表という選挙システムが意味を持つ)。そのため、政党を変えるというのは政治家にとって信念を変えるくらいの出来事だ、と言う前提で今回の調べ事を始めました。

 調べた後、各党の政策に差異が無く、各政治家にも新年がないのかもと思いました。

 良く言われるけれど、アメリカの民主党 vs 共和党では、民主党は福祉も手厚いが税金も高い、共和党は福祉は薄いが税金は安い、と言う方向性の違いがあります。この二つはどちらが良いかの正解はないため、政治家の信念が問われます。

 それに対して、日本の政党の主張はトレードオフを無視して良い側面だけを言うのでみんな似てくるのかなぁと思いました。ガーシー元議員は、比例代表で選ばれた議員であることを思うと、比例代表と言うシステムは止めた方が良いと思いました*1

 

*1:比例代表は死に票が少ないのが利点だが、とんでも議員が選出される欠点を持つ。