「ブラック企業」に関する記事が目につく。
http://d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20100502/p1
これらの記事を眺めてみると「ブラック企業」という言葉の定義が曖昧な気がする。「ブラック企業」を従業員に劣悪な環境での労働を強いる企業と定義(定義1)が一般的であると思う。しかしながら、上に参照した記事は、「ブラック企業」を顧客に対するサービスの悪い企業という定義(定義2)であるように感じる。
定義が異なれば議論がかみ合わない。
また、定義1的なブラック企業が顧客に対するサービスが悪いというのであれば、顧客サービスの悪いブラック企業をいくつか列挙するだけでは不十分である。
- 定義1的なブラック企業で、顧客サービスの悪い企業
- 定義1的なブラック企業で、顧客サービスの良い企業
- 定義1的なブラックでない企業で、顧客サービスの良い企業
- 定義1的なブラックでない企業で、顧客サービスの悪い企業
この4つを丁寧に分析しなければ、定義1的なブラック企業とその顧客サービスの悪さの関係は明確にならない(「人間この信じやすきもの」を参照してほしい。)
「人間この信じやすきもの」を読んだことで視野が広がったのだなっと、このブラック企業騒動で感じた。
人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
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